入院日額と高度先進医療
健康で長生きしたい、そう願う人々に応えるかのように、医療技術は進歩し最先端の治療法や新しい薬の開発も進み、昔は治らないとされていた病気でも今では治療可能なものとなってきています。
がんもそのひとつで、例えば肝臓がん患者数で見てみると、治療後5年の生存率が80年代ではおよそ22%だったものが90年代にはおよそ45%にまで上昇しているようです。
手術などで必要となってくる入院日数も、平均65日だったものから平均30日へと半減しているそうです。
医療の進歩とはすばらしくありがたいものですね。
しかし医療技術が高度になってくると逆に心配になるのが治療費の高騰です。
医療保険やがん保険の選び方のポイントとして「入院したときに一体いくらもらえるのだろう」と入院日額を重視している人もいると思います。
確かに入院して何日目から給付金がもらえるのか、一日いくらもらえるのか、という点はいろいろな保険を検討する上で、比較しやすいポイントと言えます。
ただし、入院日額3万円のがん保険などという高額な給付金を示しているものもありますが、その額だけに気をとられて加入すると、いざ請求しても「条件に合いません」と言われれば1円ももらえないことになります。
入院日額の金額だけでなく、その他条件もよく検討して、間違った選び方をしないよう注意したいものです。
さて実際に病気で入院をした場合、どれくらいの医療保障が必要になってくるのでしょうか。
簡単には、健康保険の対象となる医療費の自己負担分と健康保険対象外の諸雑費、入院治療期間に働けない分の収入減少カバー分を足したものが、必要な入院日額となります。
まず医療費の自己負担分ですが、健康保険の対象となる医療費の自己負担額には限度額が設定されているため、自己申請すれば高額医療費には払戻しがあります。
そのため、健康保険対象の医療費であれば、それほど大きな負担にはならないでしょう。
健保対象外の諸雑費には、差額ベッド代や入院時の食事代の一部、高度先進医療などがあります。
中でも入院期間が長引くほど大きくなる差額ベッド代は、できれば少なく抑えたいところですが地域や病院によって1日数百円から10万円を超えるところまでさまざまです。
しかしここで知っておきたいのは、病院側から差額ベッド代を請求されるのは患者からの希望があった場合に限られるということです。
たとえば一般病棟が空いていないために差額ベッド代のかかる病室に入った場合や、伝染病などあくまでも治療上の都合で個室に入った場合などは支払わなくてもよいのです。
このような仕組みを理解して、不必要な出費を抑えるようにしましょう。
医療費の自己負担制限額や差額ベッド代などを計算すると、高度先進医療費や食事代などの諸雑費を除いて必要な入院日額は一般所得者では5000円?1万円程度となります。
所得が多い人になると自己負担制限額も上がりますので、1万円?1万5000円程度の日額保障が必要となります。
公的保険が受けられない高度先進医療の部分では、自己負担が大変高額になります。
そのため、各保険会社が競うようにがん保険の商品を発売し、がん保険に加入する人も増えてきています。
商品によっては免疫療法や放射線による治療法など自己負担が高額になる治療に対して給付金を支払ってくれるものがあります。
例えば放射線の一種である粒子線をがんに照射する方法では、エネルギーを最大にする時点を調節できるため、がん以外の正常な組織を傷つけることなくがんを狙い撃ちできます。
このような治療では1回につき300万円以上がかかるようです。
もし自分ががんに罹ってしまったら、どんなに高額な治療法でも試してみたいというのが本当の気持ちでしょう。
お金がないために治るかもしれない高度先進医療が受けられないなんて、そんなもどかしいことはありません。
命が助かって一安心した後に、膨大な治療費がのしかかってきて苦しむことのないように、高度先進医療もカバーしてくれるがん保険は選び方のひとつの目安になるでしょう。
ただし、それぞれの保険によって保障対象となっている高度先進医療が異なり、給付金額も違いますので確認が必要です。
高度先進医療が必要になる可能性はそんなに高くないかもしれません。
そのため高度医療が必要にならないことを願って予防医学に努めるのもひとつの選び方かもしれません。
しかし自分の身にふりかかったら、というリスクを考え保険で備えるか、あるいはその医療費をまかなえるだけの貯蓄をするか、よく考えて選択してください。
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